会陰切開と会陰裂傷の違い。健康保険は適用されますか??

分娩時の会陰切開と会陰裂傷について説明します。

一般的な説明のあとに、

それぞれの処置が健康保険適用なのかどうか

医療保険はどうなのかをお伝えし、

経験談含めて個人的意見も添えます。

 

帝王切開でなければ日本では殆んどの妊婦さんが経験するであろう会陰切開。

怖がらずに「フムフム」と読んでみてください。

 

【会陰切開】

●会陰切開って何?

「会陰切開」は、簡単にいうと分娩台上で会陰部を切開して

赤ちゃんの出口を広げる処置です。

会陰が自然に伸びるのには時間がかかりますが

会陰切開をおこなうとお産が早く終了します。

 

●どんな時にするの?

1、会陰が伸びにくく、赤ちゃんが出てくるときに裂傷ができると思われる場合。

大きな傷ができるのをさけるために予防目的で切ります。

2、吸引分娩、鉗子分娩など医療器具を挿入する場合。

3、お産が長引き、赤ちゃんやママの体が危険な状態になった場合。

 

 

●痛みと産後の傷

麻酔をする病院もあればそのまま切る場合も。

陣痛の痛みでまぎれていて会陰切開の行為が痛いとは

あまり聞いたことがありません。

いつ切られたのか分からない人も多くいます。

 

縫合されますが、切られたわけですから産後は痛みが伴います。

座ると傷周辺が圧迫されて痛むのでほとんどの病院では

ドーナツ型の座布団が用意されています。

2~3日で痛みが軽くなっていく人もいれば1ヶ月以上痛みを

抱えて生活する人もいます。

痛みや治癒までの期間に個人差があります。

 

 

●切開したくない場合

初産の場合、約7割ほどの方が会陰切開の処置を受けています。

切開をするしないは、病院の方針、医師の判断です。

個人の状態を見るのではなく初産の場合は全員切開する

という方針の病院もあります。

 

会陰切開しないで自然に伸びるのを待つということは

なかなか会陰が伸びなかったら、待ち時間が長くなるということです。

どうしても会陰切開をしたくない、ギリギリまでしない方向で行きたい

という希望がある場合は早い段階で検診時に医師に相談しましょう。

 

聞き入れてもらえない場合は妊婦さんが希望する分娩

「バースプラン」を扱ってくれる病院を探してください。

 

会陰切開のメリットデメリットについてよく学んでから

バースプランについて考えるとよいでしょう。

 

 

【会陰裂傷】

 

●会陰裂傷って何?

膣の入り口と肛門との間のことを会陰部といいます。

分娩の際に会陰部が裂けて傷ができてしまうことを「会陰裂傷」といいます。

同時に膣壁裂傷を起こしてしまうことも多いです。

 

●原因は何?

いくつかあります。

・会陰部の伸展不良
・胎児の頭が大きい
・分娩進行が急速
・会陰保護の不足

などなど・・・

会陰部の伸縮には個人差がありますが、年齢とともに伸展性が低下するので、

高齢初産は会陰裂傷のリスクが高くなります。

急速な分娩の時は会陰部が延びる時間がないので、

もちろん裂傷を起こしやすいです。

 

●会陰裂傷の種類

  • (1)第1度会陰裂傷:会陰皮膚および腟粘膜のみに限局。
  • (2)第2度会陰裂傷:会陰筋層の裂傷を伴うが、肛門括約筋(かつやくきん)は損傷されていない。
  • (3)第3度会陰裂傷:肛門括約筋の断裂が認められる。
  • (4)第4度会陰裂傷:裂傷が肛門粘膜や直腸粘膜に及んでいる。

https://health.goo.ne.jp/medical/10391000

●会陰裂傷の治療

2度裂傷までは一般的に起こりえるもので、10分もあれば縫合も終わります。
裂傷部が大きいと、どことどこが元々くっついていたのかがわからないくらい裂けています。 こうなるとパズルを解くように縫合するため時間もかかります。

3度裂傷は肛門括約筋という肛門を絞める筋肉が断裂しています。
肛門括約筋は肛門の周囲を取り囲む輪ゴムのような筋肉です。 この筋肉が断裂すると肛門のしまりが緩くなるため、断裂した筋肉を元のように引き寄せてあげる必要があります。 その後は2度裂傷と同じです。

4度裂傷は直腸まで裂けているので、まず直腸の粘膜を縫合して、肛門括約筋を縫合して、その後は2度裂傷と同じとなります。 注意深い縫合となるので長時間となり、大きな病院へ搬送となる場合もあります。

3度、4度裂傷の術後は創部離開を防ぐために便を軟らかくしたり、食事を軟らかい消化のよいものに変更したりと術後管理も重要です。

(「産婦人科の基礎知識」より引用 http://www.san-kiso.com/sannka/einn2.html)

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会陰切開、会陰裂傷、健康保険は適用されるか?

まず、健康保険が適用される医療はどのようなものか、見てみましょう。

【適用できる医療】

治療のための診察・処置・投薬・手術など、在宅療養、在宅看護、入院や看護、薬等の治療材料等々

【適用できない医療】

自然分娩、仕事上の怪我や病気(労災が適用される)、美容整形、健康診断、予防接種、人間ドック、審美歯科等々

 

病気であれば基本的に適用されます。(労災適用以外。)

一方、健康保険が適用されないケースとは病院での処置であっても、治療目的ではなく美容、予防目的のものです。

 

会陰切開と会陰裂傷に話を戻します。

 

多くの場合、会陰切開は普通分娩において裂傷を防ぐための処置です。

予防目的なので、健康保険適用されないのです。

分娩費用として扱われます。

切開した場合に、基本の分娩費用に自費加算する病院もあれば

切開してもしなくても分娩費用が変わらないという病院もあります。

 

こんな文章も見つけました。

医療保険上は、医師が疾病と認めて診療を行った場合を異常分娩、それ以外を正常分娩とし、前者は保険診療の対象となり、後者は自費診療となります。明らかな正常分娩、異常分娩の場合には問題は生じませんが、異常の発生が予測されたため手術・処置等を行い、結果的には、ほぼ正常と考えられる経膣分娩に至った場合に、これを正常分娩として自費扱いにするか、異常として保険扱いにするかは迷うところです。「医療保険必携」175頁に示すとおり、医学的適応を十分に満たしていない状態、すなわち異常が明らかになる前の段階で、安全出産に導くために予防の目的で手術・処置等を行い、結果的に(手術・処置が行われたことを除けば)正常経膣分娩となった場合は、自費扱いとなります。

(「妊娠・分娩・産褥の保険診療と自費診療について」http://www.jaog.or.jp/sep2012/JAPANESE/MEMBERS/TANPA/H14/020916.htm)

予防目的の会陰切開はとにかく健康保険適用外っていうことですね。

 

吸引分娩や鉗子分娩で医療器具を挿入するために会陰切開をしなくてはならない場合には

会陰切開の分も健康保険適用にしてよいとの指針にはなっているそうです。

しかし、平成21年の社会医療診療行為別調査によると、数字上では

会陰切開の件数が吸引分娩の件数の約半数だったというデータもあり、

吸引分娩の時でも必ずしも保険申請が行われているわけではないようです。

病院や先生によって判断が違ってくるのはややこしいですね。

産科医の中には、そもそもⅠ度やⅡ度の軽い裂傷縫合程度で保険申請すること自体に違和感を覚えるという意見もあるようです。

(お産子育て向上委員会 http://osan-kojo.com/column/01_110510.html)

1度裂傷はかすり傷程度、会陰切開の傷は2度会陰裂傷に相当するともいわれています。

保険申請しない感覚もわかりますね。

 

肛門、膣円蓋、直腸等に及ぶ会陰・膣壁裂創縫合術や、頸管裂創縫合術が行われた場合には原則として2~3日を保険入院としますが、その後は主治医の判断によります。

(「妊娠・分娩・産褥の保険診療と自費診療について」http://www.jaog.or.jp/sep2012/JAPANESE/MEMBERS/TANPA/H14/020916.htm)

「肛門、膣円蓋、直腸等に及ぶ会陰・膣壁裂創縫合術」とは、第3,4度の酷い会陰裂傷の場合ということです。

その場合は、産後の入院も保険適用分があるということですね。

私は、第3度で1泊2日の入院分が保険適用でした。

私は、基本の分娩料に加算されて窓口では普通分娩で何事もなかった場合より多く払いました。

その時のことは別記事に書いています。(「普通分娩なのに健康保険適用の手術が行われている場合がある!」)

 

まとめ

正常分娩の会陰切開は健康保険適用外。

異常があった場合、それにともなって行った会陰切開は健康保険適用。(医師の判断にもよりますが。)

会陰裂傷は程度が3度4度のものが保険適用されることが多い。

 

健康保険適用された手術、入院に関しては医療保険の給付対象になる可能性もありますので

保険会社に必ず問合せをしてみましょう。

健康保険適用分がないものは、ほぼ給付金対象にはならないみたいです。

 

私は第3度会陰裂傷で手術、入院ともに健康保険適用分があり、それにともなって

加入していた都道府県民共済から共済金がおりました。

 

お産は病気じゃないから!とか言われますが、様々な治療や処置、手術と隣り合わせ。

いつ異常事態が起こるかわかりませんから、妊婦になったら自分の体を労わって

そして、色んな情報を入手しておきましょう。

 

おまけ

 

私が出産した病院の医院長は母親学級の質疑応答で

「ぜったいに会陰切開したくないのですが」とのコメントにこう答えていました。

 

「産後の尿もれや子宮脱など婦人科系の悩みは会陰切開をしないことが原因になっていることが多い。裂傷するから。分娩時に会陰切開をしないでお産をしていた昔の時代の人たちにこれらのトラブルが多いというデータもある。それに裂傷が起これば切開の傷よりも縫うのがややこしいから縫合に時間もかかるし傷自体が切開よりも酷い。後々の体のためにも切開の方がいい。ただ私の病院では闇雲に全員に切れとは言わない。伸びてると思えば切らない。どうしても、切らないでくださいっていうなら切らないけど、酷い会陰裂傷になるよりも会陰切開しちゃった方がいいと思う。」

その時は、「はぁ、へぇ、ほぉ」と色々と納得して帰りました。

 

助産所で出産した友達は自然派で会陰切開しませんでした。

こんなことを言っていました。

「助産所は会陰が伸びるようにマッサージもしてくれるし、会陰切開しなくても産めるように1対1でついてお産を導いてくれるんだ。会陰裂傷おこっちゃうのはあんまりケアしてくれないからだよ。」

その時も、「はぁ、へぇ、ほぉ」と思いました。

 

どっちが正しいか、どっちがいいか、よくわかりません。

 

「こんな陣痛がまだまだ長引くなら会陰切開して!」と

当初とのバースプランとは違うことを分娩台で医師に告げた友人もいますし、

何が起こるかわからないのがお産ですね。

 

ちなみに、初産の時に私はあまりこだわりもなく

「裂傷は嫌だなぁ。まぁ切開は仕方ないか、、、」

という気持ちでいて切開されました。

なのに、裂傷も起こっていたのです。

ダブルパンチ!!

(初産の時)

頭の大きい3400gの娘でした。

何が起こるか、本当に分かりません。

 

産後2ヶ月間、傷口が痛くて痛くて普通に座れませんでした。

今となってはその痛み、忘れてしまいました(´・ω・`)

 

だから第2子も産めるんでしょうね。

 

ちなみに、第2子の時は、分娩は正常そのもの。

頭の小さな子でした。

 

そして、第3子で第3度会陰裂傷です。

再び頭の大きな子でした(苦笑)

会陰裂傷が第1子で起っていたのを知ったのは実は第3子出産後です。

同じ産婦人科だったので過去のカルテ見てもらいました。

 

正常分娩でも出産は一つとして同じ事がないんだなというのが3人子供を産んでわかりました。

そして、無知は損。

特に、自分の体のことはよく知っておくべきだなと感じたのでした。

おわり。

第一子の時に活躍したドーナツクッション↓普通に座るのが痛くて痛くて。

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